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ラスベガス(ネバダ州)税金の話

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ラスベガス(ネバダ州)税金の話

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2019年 5月 13日更新

ラスベガス(ネバダ州)税金の話

キャピタル・オブ・エンターテーメント(娯楽の首都)、シン・シティ(罪深き街)として知られるラスベガスを抱えるネバダ州の特徴は低い州所得税(ゼロ)です。州の所得税が個人も法人もないため州所得税申告そのものがありません。
州個人所得税について(2017年データ)

10州:カリフォルニア州 13.3%、オレゴン州9.9%、ミネソタ州9.85%、アイオワ州8.98%、ニュージャージー州8.97%、バーモント州8.95%、コロンビア特別区(首都ワシントン)8.95%、ニューヨーク州8.82%、ハワイ州8.25%、ウィスコンシン州7.65%など10州が個人所得税の高い州トップ10です。

個人所得税を課す市や郡(カウンティー):ニューヨーク市。オハイオ州・インディアナ州・アイオワ州・ケンタッキー州・メリーランド州、ミシガン州・オレゴン州、ペンシルバニア州などの州に存在する多くの都市や郡など(コロンバス市他)で州所得税に加え地方所得税があります。

7州:ワイオミング州、ワシントン州、テキサス州、サウスダコタ州、フロリダ州、アラスカ州、ネバダ州など7州には個人所得税がありません。

富裕層の税金回避地であるラスベガス

税法上の居住州というのは州所得税を考えると非常に重要なポイントです。いくつかの観点から居住州の検討がされます。特に有効なのは年の過半数を、その州に居住することです。ネバダ州が税法上居住州であれば、他州の所得税を免れることも多くの場合に可能です。特に金利や配当などの不労所得が多い富裕層には良い場所です。カジノ顧客向けの娯楽も沢山あります。

ロスアンゼルスがら車で4-5時間の距離にあり、カジノやショー、多くのレストラン、周囲にいくつもの国立公園のあるラスベガスで年間183日(過半数)を過ごす富裕層がいます。カリフォルニア州の高い税金を回避するために、自分たちのことをTax Refugee (税金難民)と呼びます。彼らは週末に通うビバリーヒルズに家があっても、ラスベガス郊外サマーリンやグリーンバレーの豪邸か中心部ストリップ通り近くの高層コンドなどに183日しっかり数えて住みます。地価が比較的安い為、ビバリーヒルと同じような豪邸でも1/5くらいで買えたりします。暑い夏の間はカナダやどこか涼しい北の州あるいはクルーズなどに出かけたりします。カリフォルニアだけでなく他の州から飛行機で往復して、居住州をネバダにしている人もいます。10ミリオンドル以上の収入がある場合など、州税の少ないあるいはネバダのように全くない州の人の場合に1ミリオンドル以上州税を免れる場合もあります。

日産の元会長のカルロス・ゴーンさんは滞在日数の多い富裕層対象の税金のあるフランスでなく税法上メリットのあるオランダを居住国としていたようです。実際には滞在日数が不足していたのではと批判されています。

州法人所得税について(2018年データ)

44州:ノースカロライナ州の3%からアイオワ州の12%まで、44州が州法人所得税を課しています。

7州:アリゾナ州、コロラド州、ミシシッピー州、ノースカロライナ州、サウスダコタ州、ユタ州は州法人所得税が5%以下です。

7州:オハイオ州、テキサス州、サウスダコタ州、ワイオミング州、ワイオミング州、ワシントン州、ネバダ州には州法人所得税がありません。

4州:オハイオ州、テキサス州、ワシントン州、ネバダ州には年間収入により税金が課されることがあります。ネバダ州の場合は年間4ミリオンを超える収入がある法人に適用されます。

トランプ税法の影響によるラスベガスでの会社設立

連邦法人所得税は長い間最高35%の累進課税でした。トランプ大統領により2018年1月1日から一律21%になりました。これによりネバダ州の会社は州法人所得税がないため、最高でも利益の21%までしか所得税が課されなくなりました。これまで税金の低い他国で運用していたと思われる資金がネバダ法人を設立して運用されるケースもでてきています。

タックスヘイブンとしてのアメリカ、ネバダ

CRS金融口座共通報告基準には世界102か国が加盟しています。その国の非居住者つまり外国人の口座情報交換制度です。ケイマン諸島、バージン諸島、スイス、香港、シンガポール、などの租税回避地として知られている地域やほとんどの先進国が加盟しています。先進国の唯一の例外はアメリカです。

アメリカは他国に対して、FATCA外国口座税務コンプライアンス法という米国国内法を外国に押し付けて地方銀行にまで情報開示させるのに、自分の国の情報は開示しません。2018年9月に55万件の日本人の外国口座情報がCRSから日本の国税庁に記録されたと記事がでています。これまでスイスやシンガポールなどに置いていた資産を米国に移す動きが数年前から大きくすすんでいます。

唯一の超大国であり、強大な武力を背景とした世界唯一の基軸通貨ドルを人質にして、わがもの顔にアメリカは振舞っています。ドル調達・決済ができなくなれば各国の金融機関は倒産と直面します。まるでドラエモンのジャイアンみたいだなと思うときがあります。

アメリカの中でも州所得税がなく州所得税報告書そのものが存在しないネバダ州はそうした資金が流入しています。租税回避地のプライベートバンカー及びその顧客から問い合わせが時々あります。

スポーツチーム移転

2017-2018シーズンにアイスホッケーNHLのベガス・ゴールデン・ナイツ誕生。最初のシーズンでいきなりスタンレーカップ出場しラスベガス経済に好影響を与えました。2020年にアメリカン・フットボールNFLのレイダースがオークランドからラスベガスに移転することが決定してます。現在大きなスタジアムを建設中。スポーツチームのラスベガス移転の背景には、スポーツ賭博が合憲と最高裁判所判決で認められたことがあげられます。これまでラスベガスなどに限られていたスポーツ賭博が他の州でも合衆国憲法修正第十条の観点から合憲とされました。他州でもスポーツ賭博ができるようになり、スポーツ賭博があるラスベガスへの移転をためらっていた各リーグがラスベガス移転にゴーサインをだしています。ラスベガスとその周辺都市を含むクラーク郡の2018年人口は約220万人です。年間約4千万人の観光客がラスベガスを訪問しています。更なる他のスポーツチームのラスベガス移転も考えられます。

現金の飛び交うラスベガス

週末のラスベガス行きの飛行機にはギャンブルとパーティーの為に向かう多くの老若男女がいます。スタイル抜群の美女たちもいます。毎週末飛行機に乗り、ダンスクラブでセクシーな恰好で踊り、札束のチップを手にします。面白いのはダンスクラブが彼女たちを雇うのではなく、彼女たちはショバ代というか踊らせてもらうためにクラブにお金を払っています。彼女たちは酔客からもらった沢山の現金をそのままラスベガスの銀行の貸金庫に入れるか、ブランドもののバッグに積み込んで、飛行機に乗り地元に週明け帰ります。個人事業主として申告されるべき収入ですが、ネバダ州は州所得税がない為、彼女たちの収入を気にしていません。彼女たちにとってラスベガスは、現金を使う場所ではなく稼ぐ場所です。スッピンで破れたジーパン、ルイ・ヴィトンのバッグを持ったスタイル抜群の女性が帰りの飛行機の中で隣に座って寝ていたら、遊んで疲れたのではなく労働して疲れているのかもしれません。そういえばタイガーウッズやヘンリー王子もラスベガスで羽目を外していたのがニュースになっていました。

今回のコラムニスト
Watanabe & Nakagawa Tax Service
仲川佳克 (なかがわよしかつ)

米国税理士 IRS enrolled agent. 明治大学法学部卒、2003年ラスベガスで税務会計事務所開設。911同時多発テロ、カジノホテル建設ラッシュ、住宅バブル、リーマン・ショックによる経済崩壊、経済復興などをラスベガスで経験。

https://www.nevada-tax.com/
5115 Spring Mountain Road. #302 Las Vegas, NV 89146

2019年 5月 13日更新

上記は記事更新日時点の情報をもとに執筆されています。
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